Instruments
VIENTOS ZAMPOÑAS
サンポーニャ
インカ以前の古い文化の時代から人々に吹き継がれて
きたのが、ビエントス(風)と呼ばれるに相応しい
音色を持つサンポーニャです。
カーニャという芦を節から切り、
長さの異なる管を音階順に並べた素朴な楽器です。
一つの管が一つの高さの音しか出せないため、
長さの異なる管を束ねて一つの楽器になります。
サンポーニャが他のパンパイプと大きく異なっているのは、元々は2人が1組になって、
一方がドミソ~と束ねた楽器、他方がレファラ~と束ねた楽器を持ち、各人が自分の担当する音階を
交互に吹鳴させて、あたかも一つの楽器で一曲を奏でているかのように旋律を織り成すという
「コンテスタード(contestado/応えるの意)(日本ではドブレ(doble/二倍の意)と呼ばれることもある)」
という奏法で演奏されていたことです。
現在のフォルクローレの中では、この2つの楽器を重ねて持って1人で演奏する奏法の方が一般的です。
VIENTOS QUENAS
ケーナ
アンデスのビエントス(スペイン語で「風」を意味し、ケーナやサンポーニャをこう呼びます。)を代表するケーナは、世界中に知られているたて笛です。
その歴史も極めて古く、神秘的な伝説やロマンティックな言い伝えに彩られています。
カーニャやバンブーに7つの穴を開けただけの
尺八タイプの素朴な笛ですが、南アメリカの多くの音楽家によって数々のケーナの名曲が作られています。
縦笛で、表側に数孔と裏面1孔。表側の穴は、古くは3~4孔だったが、現在は西洋音階に対応するため、
6孔が標準である。リードがなく、上部にあるU字またはV字型の切り込みが歌口で、そこに息を吹き付けることで音が出る。日本の尺八、中国の洞瀟と同じ原理である。材料としてはもともとはカーニャと呼ばれる葦が用いられていた他、遺跡からの出土品では、動物の骨を使ったものも発見されている。
現在は楽器としてある程度以上の水準のものは、葦よりも格段に硬い材質の竹(バンブー材)または木で作られることが多い。
吹き込む息によって湿気を帯びるため、また、材料の木(ハカランダなど)で口がかぶれることもあるため、
吹き口の部分だけ骨を使う場合もある。木製のものは音程がかなり正確にできるが、音色はケーナというより
フルートに似た印象を受ける、高音部の音が金属的に響く場合が多い、という特徴があるため、好みは分かれる。
PAN FLUTE
パンフルート
パンフルート(パンの笛)はギリシャ起源、
東欧のラテン国ルーマニアの羊飼いの笛、
歌や踊りの笛、そし て神への祈りの笛として
今に伝わります。その音色はある時には優しく、
またある時には力強く聴く人の魂を揺さぶります。
Instruments
CHARANGO
チャランゴ
17世紀頃、スペインから渡って来たギターがアンデスの山間で見事に変身を遂げ、チャランゴが誕生しました。旧世界の文化侵略をつつみ込み飲み込んでしまった
南アメリカ……、
その混血文化を象徴するかのようなチャランゴ。
5コース10弦をもつ小さな身体から紡ぎ出される
虹のような音色は、今では南アメリカのみならず世界中でこよなく愛されています。
現在一般的な形のものは、マンドリンと同じくらいの長さで若干小型の胴体というサイズで、マンドリンに似て
胴体は丸底のものが多い。(平底の胴体のものもある。)
胴体の材料には、アルマジロ(ケチュア語;kirkinchu) の甲羅を利用したものもあり、見た目は印象的であるが、プロの演奏家の使用に耐える楽器はほとんどが木製である。
弦は現在はナイロン弦を使用するのが一般的だが、鉄弦を使用することもある。
5コース10弦で、上から順番にソドミラミと調弦される。真ん中の3コース(ミ)の2本の弦がオクターブ差に
調弦されており、その低音側のミが楽器全体の最低音、高音側のミが、5コースのミとともに楽器全体の最高音となる。従って、ギターやマンドリンと異なり、弦が低音から高音へと順番に並んでいるわけではない。
この調弦は、C/Am(ハ長調/イ短調)のキーで親指と人差し指で二重奏の旋律をつま弾くのに都合がよいように
考慮されているようである。
Guitar
ギター
ギターはチャランゴと共に独特の奏法でフォルクローレ
の多様なリズムを伴奏します。
フォルクローレではあまり目立たないギターですが
ベースラインも受け持ち、
リズムの要であるギターが入らないと音が薄くなり、
フォルクローレの音楽が成り立ちません。
Mandolin
マンドリン
マンドリンはイタリア発祥の撥弦楽器。
マンドリンには、イチジクの縦割りに例えられる
ボールバックのナポリ型や、
フラットバックのポルトガル型、
バンジョーの半分のサイズのバンジョー型等があり
ますが、南米には10弦(ペルー)・12弦(ボリビア)
などのマンドリンが存在します。
ペルースタイルのマンドリンは、1、2弦が3本づつ、3、4弦が2本づつの4コース計10弦。
フラットボディーで玉葱のような形をしています。
調弦は他のマンンドリンと同じですが、第2弦の3本のうち真ん中を1オクターブさげた音程に合わせます。
Instruments
WANKARA
ワンカラ
動物の毛皮を張ってある太鼓。
太鼓は動物の皮を張ってあるものが普通ですが、
ワンカラは毛皮なので柔らかい音が出ます。
CHAKCHA
チャクチャ
チャクチャとは南米、ペルーの楽器。
フォルクローレには必須のリズム楽器で、
チャフチャス(Chajchas)という呼び名でもおなじみ
です。名前の由来は、音が”チャクチャク”と鳴ること
から、と言われています。はぎれよく振ると名前の通りチャクチャクと、またゆらゆらと振るとなぜか水を思わせるカラカラという心地よい音が響きます.。
チャクチャはいずれも自然素材の、2 系統の材料から作られています。
1 つは、ヤギやリャマなどの家畜のひづめを利用したもの。爪の生え代わる時期に落ちたものを拾って使います。
音は多少こもったようなずっしりとした感じです。
もう1 つは、マイチールという木の実を乾燥させ束ねたもの。カラカラと軽い乾いた音が出ます。
CAJON
カホン
カホンはペルー発祥の打楽器の一種。
カホンは楽器自体に跨って演奏される箱型のもの
(ペルー式と呼ばれる)からコンガのように股に挟んで
演奏されるもの(キューバ式と呼ばれる)まで、
打面が木製である打楽器全般を指す。
通常ペルー式カホンを指す場合が多い。Cajón はスペイン語で箱を意味し、その名の通り中が空洞の直方体の
形状をしている。通常木製だが、打面にFRP(繊維強化プラスチック)を用いた製品も存在する。
通常側面に1 つだけ打面を持ち、打面以外のある1 つの面(多くは打面の反対の面)にはサウンドホールが
空けられている。打面は他の面より薄い。 打面の裏には弦や鈴などを仕込むことが多く、
これらを仕込ませることにより特徴的なバズ音を得ることができる。